全国初の「優良会員制度」スタート。公平・公正な流通環境整備へ
(株)住宅管理コンサルタント 代表取締役小橋川 共順(こばしがわ きょうじゅん)── 2017年12月号掲載
一般社団法人 沖縄県不動産流通機構の会長も務める。
全国初となる優良会員認定制度の普及を目指す。
小さな事でも 難儀を厭わず
── はじめに、御社の概要についてお聞かせください。
現在9名の社員が在籍しています。不動産全般を扱っていますが、アパート・マンション・駐車場の管理、土地・建物の売買が中心です。那覇がメインですが、扱っている物件は本島全域ですね。
── 御社は今年で30周年を迎えたと伺いました。その中で県内の不動産を取り巻く状況について、変化を感じる部分などはありますか。
弊社は当初から管理も行なっていたので、景気に左右されなかったですね。バブル景気の時代はありましたが、そういった時に無理な投資さえしなければ、息の長い業種だと思います。近年の流れで言えば、若い業者が増えてきた印象があります。県宅建業協会には年に60~70社ほど入退会があるのですが、徐々に入会数が増えてきたなと感じています。
── 本土企業の進出や独立する方も増えていますね。
そうですね、独立についてはわずかな資本で展開できるので、多くなっているのでしょう。そういった意味では、やりにくい業界かもしれません。特に沖縄の方は流行に乗って起業するという傾向があるので(笑)。
── 御社の強みはどういった点にありますか。
管理をメインとしてきたことが強みになっていると思います。管理を行なう中で様々な情報を得ることができる。弊社が過去に建売をした時も、家主さまからのご相談がきっかけでした。小さな事でも難儀を厭わず、様々な相談を丁寧に対応してきたことが今に繋がっていますね。
優良会員制度スタート。違法行為解消へ前進
── それでは、社員教育の方針についてお聞かせください。
社員に求めているのは、オールマイティー。何でもできるということが大事。全宅連が創設した「不動産キャリアパーソン」という研修制度があり、弊社では社員全員が受講し合格しています。これは不動産業に従事するために最低限必要な知識が網羅された内容です。キャリアパーソンは、昨年、県不動産流通機構が創設した「優良会員」認定の条件にもなっています。
── 「優良会員」とはどういった制度なのでしょうか。
この制度は全国でも沖縄が初めて創設しました。その根本には、全国的に長らく問題となっている「囲い込み」や「抜き」といった違法行為を改善したいという想いがあります。罰則規定を設ける考えもありましたが、それよりも良い業者を増やした方が取引環境の良化に繋がるのではないか、と。そこで、「公平・公正で透明度の高い取引環境を作ろう」ということで、優良会員制度の創設に至りました。
公平な取引を行うには、情報をオープンにするという企業理念がないと実現できない。また、お客さまには懇切丁寧に説明を行なう義務もありますので、よりレベルが高く、不安のない相談ができる環境作りに繋がると思います。
── お客さまにとっても、お店選びの指標になりますね。
まだ始まったばかりの制度なので、どんどん認知度を広げていきたい。現在、弊社を含め18社が認定業者となっており、更に30社が認定を目指して研修中です。この輪が500社ぐらいにまで広がっていけば、違法行為も解消できるのではないかと見ています。
── ぜひとも認定の輪が広がってほしいですね。
新たな課題は 住宅支援
── 「優良会員制度」以外にも取り組んでいることがあると伺いました。
数年前に県居住者支援協議会が発足し、住宅確保要配慮者のための入居のお手伝いに取り組んでいます。具体的には高齢者や海外からの移住者など、なかなか入居を受け入れられない状況がある。家主さまにとって難しい面もありますが、理解を得られるよう根気強く動いていかねばと。保険なども整備されてきているので、説明をしっかりと行ない、住まい対策を実現していけたらと思います。
── 少子高齢化の波もあり、避けられない課題だと感じます。
高齢の夫婦が配偶者を亡くし、持ち家を手放してアパートに移住するといった例が多数あるなど、民間では住宅需要が膨れてきている。しかし全国的には空き家がかなりの数で増えており、国が主導となって空き家対策を講じている状況もあります。
── 難しいものではありますが、一歩ずつしっかりと取り組むべき課題ですね。
本日はお忙しい中、ありがとうございました!
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