マンション買取相場の見積もり方は？基準価格の調べ方｜不動産の価値×売却コンテンツ

マンションの買取相場の決定方法

マンションの買取相場は、どのような背景があって仲介相場の約8割と決まっているのでしょうか。まず、不動産会社はマンションを買い取った後、そのまま新たな買主へと売却しているわけではありません。

実は、買い取ったマンションを綺麗にリフォームして、新たな買主へと売却しています。新たな買主が買取可能な価格が4000万円と仮定した場合、マンションの買取相場は、次のように決定します。

• マンションの売却価格（新たな買主へ提示される価格）：4000万
• リフォームで発生する費用：250万
• 税金やその他の諸費用：150万
• 不動産会社が得る利益：400万円
• マンションの売主へ支払われる価格：3200万

このように、マンションの売却価格（新たな買主へ提示される価格）から、リフォームで発生する費用や税金やその他の諸費用を除くと、売主へ支払われる買取価格が決定します。

マンション買取で得ている不動産会社の利益は約10％

マンションの買取相場の決定方法でお伝えしたように、新たな買主よりも物件を20％安く買っていても、不動産会社が得られる利益は20％ではなく、内訳のとおり約10％になります。

不動産会社によるマンション買取は、新たな買主へ売却するまでに一定のリスクが伴います。たとえば、マンションのリフォーム代金の支払いは、代表的なリスクのひとつです。実際に、多くの不動産会社に「不動産を買い取った後に、どれくらいのリフォーム費用を支払いましたか？」と聞くと、その多くが200万円以上の支払いを行っています。

マンションの状態によっては、500万円以上のリフォーム代金が発生するケースがあるため、そういった背景も含めて理解しておくと買取価格について納得したうえで安心して買取手続きを進められます。

条件1：間取り

間取りは、マンションの内部のレイアウトや部屋の配置を意味します。間取りが良い場合、使いやすく魅力的なマンションとみなされ、価値が高まります。間取りの良さは、次の要素によって決まってきます。

条件2：日当たり

日当たりは、マンションが日中にどれだけ自然光を受けるかという要因です。良い日当たりは生活の快適さを向上させ、室内を明るく魅力的にします。日当たりに関しては、次の点がチェックされています。

条件3：築年数

マンションの築年数は、その物件の状態や価値に大きな影響を与えます。一般的に新しいほどに価値が高くなりますが、適切にメンテナンスされていれば古民家スタイルのマンションとして魅力的にみてもらえます。マンションの築年数は、次のようにチェックされます。

条件4：周辺環境

周辺環境も、マンションの買取相場を左右する重要な条件です。駅や商業施設、学校、病院などの生活利便施設が充実している周辺環境は、買取相場が高い傾向にあります。周辺環境については、次の点が考慮されます。

見積もり方法1：REINS Market Informationで検索する

マンションの買取相場は、REINS Market Informationを利用することで簡単に基準価格の見積もりができます。

まずは、所有しているマンションの都道府県と地域を選んでください。今回は、「東京都」「都心5区」で検索します。

東京都の都心5区では、エリアが広すぎるため、追加条件検索機能の地域詳細で「千代田区」「二番町」を選びます。

取引情報一覧に最寄り駅や駅からの距離、価格、間取りなど、具体的な情報が公開されているため、類似条件のマンションを見つけることで、どれくらいで売れるのか見積もることができます。

見積もり方法2：不動産会社のAI査定を利用する

不動産会社へ買取の相談を行うと、AI査定と呼ばれるAI（人工知能）が不動産価格を自動的に計算するシステムを使って、具体的な見積もり相場を提示してもらえます。

AI査定を利用するには、不動産会社が査定システムを使っている必要があります。AI査定は、所在地や面積・構造・建築年・用途などのデータを用いて、交通利便性や将来性などを推定し、AIが蓄積された物件の取引情報と照らし合わせ、短時間で査定額を計算する仕組みとなっています。

そして、マンションであれば、立地や階数・方角も考慮して判断しています。AI査定には、次のメリットがあります。

• 立ち合いの必要がないため気軽に相談できる
• 不動産会社の訪問査定よりも短時間で結果が出る
• 過去の取引事例を基に査定するため、客観的な査定額が得られる

一方、次のようなデメリットもあります。

• 物件の個体差や周辺環境の変化などの影響が反映されづらい
• 不動産会社の査定よりも精度が低い可能性がある

AI査定によるマンションの査定結果は、あくまで目安として利用し、最終的には不動産会社に訪問査定を依頼して、売却価格を決定しましょう。AI査定は、マンションの買取を検討している人にとって、概算の査定額を知る手段として非常におすすめです。

ポイント1：買取保証と即時買取を有効利用する

マンションを少しでも高値で売却したい場合は、買取保証と即時買取を有効に利用しましょう。買取保証とは、不動産会社が一定期間内に物件を買い取ることを保証するサービスで、即時買取とは不動産会社が即時に物件を買い取ってくれるサービスのことです。

買取保証を利用すれば、一定期間内に仲介による方法で売却できなかったとしても、最終的には不動産会社と締結している金額で買い取ってもらえます。つまり、2000万円でのマンションの仲介売却が実現しなかったとしても、事前に1500万円で買い取ることが決まっていれば、その金額で約束通り買い取ってもらえます。

一方で、即時買取の場合は、相場の7割程度での売却となるため、高値で売却することは難しいです。しかし、その場で売却できるため、売却のタイミングを逃すリスクを抑えられます。

ポイント2：不動産会社の繁忙期に合わせて売却する

不動産会社が繁忙期になるとマンションを買いたいと考える人が増えるため、買取相場よりも高値で売却できる可能性が高まります。一般的な不動産業界の繁忙期は、次のとおりです。

マンションの買取相場が最も高くなるのは、1～3月です。そして、4～6月、9～10月が比較的高値で売却しやすい時期となります。逆に、閑散期に売却してしまうと、高値がつきづらくなるため、リフォームやリノベーション後に買取を考えている場合は、繁忙期の時期を逃さないように手続きを進めていきましょう。

ポイント3：複数の不動産買取会社へ査定を依頼する

マンションを高値で売却したいのなら、複数の不動産買取会社へ査定を依頼しましょう。査定を依頼する不動産買取会社は、3社以上が目安です。1社だけに査定を依頼すると、その会社が提示する査定額が相場と比べて高いのか低いのか判断することが難しいです。そのため、複数の不動産買取会社へ査定を依頼することで相場を把握し、より高値で売却できる可能性を高めましょう。

また、査定を依頼する際には、物件の特徴や売却希望価格を伝えましょう。物件の特徴や売却希望価格を伝えることで、不動産買取会社はより精度の高い査定が可能となり、売却希望者の要望を把握しやすくなります。

そして、査定額が相場よりも低い場合は、その理由を尋ねてみましょう。たとえば、物件の状態が悪い、周辺環境に問題があるなどの場合、査定額が低く設定される可能性があります。査定額が低い理由を理解することで、買取までに対策を立てられます。