株式会社GEMINI 比嘉 恵(ひが さとし)さん|沖縄の不動産会社インタビュー

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北中城村の不動産会社:株式会社GEMINI 比嘉 恵(ひが さとし)さんへのインタビュー 北中城村の不動産会社:株式会社GEMINI 比嘉 恵(ひが さとし)さんへのインタビュー

斬新かつ沖縄に合った『外内断熱遮音工法』で飛躍をめざす!

株式会社GEMINI
代表取締役
比嘉 恵(ひが さとし)── 2024年04月号掲載

20年前にICフォームによる外内断熱遮音工法を考案し、県内における同工法のパイオニア。

機能がデザインを創る

国道330号・石平交差点から車で5分。ショールーム入口の大型LEDパネルが目印。
国道330号・石平交差点から車で5分。ショールーム入口の大型LEDパネルが目印。

── はじめに、御社の概要について教えてください。

営業エリアは本島全域です。現在、施工スタッフを含めて16名が在籍し、住宅の企画・設計・施工・販売を主な事業としています。

── 『外内断熱遮音工法』という建築工法で住宅を手掛けているとのことですが、この工法はどのようなものでしょうか。

『外内断熱遮音工法』は、コンクリート壁を外側と内側の両方から断熱型枠材で覆って断熱効果を高めるというものです。

弊社を立ち上げて6年ほどですが、この工法に可能性を見出したのが設立のきっかけでした。外内断熱遮音工法のメリットは高い断熱効果があるので冷暖房が効きやすく、オープンな設計ができます。

── 「オープンな設計」というのは?

在来工法では玄関とリビングの間に間仕切りを入れる造りがよく見られます。これは冷暖房の効率を良くしたいという意味が大きいのですが、弊社の工法はそういった壁を増やす必要がないので、その分室内デザインやレイアウトに自由が生まれます。

また、購入費用が従来のRC造に比べて抑えることができ、沖縄のニーズにも合うと考えています。

── 「購入費用が抑えられる」というのは?

外装に使う断熱型枠材・タイルそのものは在来工法で使うベニヤや塗装と比べると高価です。ただし、外内断熱遮音工法で使う型枠材は下地材要らずで天井は左官にクロス、壁は石膏ボード直張り、クロスで仕上げができます。
これによって下地材や石膏ボードを施工する工程が抑えられ、トータルで見ればコストダウンに繋がり、内装も壁が少なくなる分、費用が抑えられます。

工期の短縮にもなるため購入された方はもちろん、施工業者にもメリットになると感じています。

── 互いにメリットが生まれるのですね!

施工のコストを抑えた分、家具や照明といった設備や床材などの材料に費用を充てられるのもメリット。
そのため、弊社では『生活空間をデザインする』をコンセプトに掲げ、家具のレイアウトまでしっかりこだわりを持って取り組んでいるので、他社と比べてもハイグレードな住まいを提供できる自信があります。

── 工法がさまざまな付加価値に繋がっているのですね。

弊社の工法は外装にも特徴があります。
部屋のある壁面を塗装で仕上げ、ベランダの手すりにタイルを張るのが在来工法のパターン。
それに対して弊社では断熱型枠材を使った壁面にタイルを張り、ベランダの手すりは塗装で仕上げる。ここにデザイン面での強弱が生まれています。

『機能がデザインを創る』という特長になっています。
タイルを張る箇所が、おのずと決まっているのでデザインがシンプルに決まりやすくなり、バランスの良い見栄えになりますね。

職人にもメリットが多い工法

── 手掛けた物件でのこだわりは。

『力強い家』がキーワード。
近年はガラス張りでデザイン性の高いのが人気ですが、普段の生活を考えるとプライバシーの点で疑問。また、メンテナンスの頻度が高くなるのも気になります。

コンクリート造なら塩害にも強く、20年後・30年後を考えても安心。
シンプルなデザインで力強く見せるというのが理想ですね。

── まさに家としての安心感が形になっているのですね。

弊社が分譲マンションを手掛けるようになったのは、建築コストの高騰も要因のひとつ。
県内は地価が上がり続けていて、10年前と比べると倍以上になっています。
そうなると、特に若い世代は家を買うなんてできません。

それでも若い世代は新居が必要。
子どもが高校・大学生まで育った頃には新居を買う必要性はなくなるので、やはり小中学生の子どもがいる若い世帯が買える価格帯でなくてはいけません。
弊社が手掛けた物件は、県外大手と比べてもグレードでは負けない自信があります。
子育てから定年までの30年周期は一つのポイントだと思います。

── ところで『外内断熱遮音工法』はどのように生まれたのですか?

外内断熱遮音工法は30年ほど前、寒冷地で使われていたのが沖縄に入って来ました。
北海道など、この工法を使った家が多いですね。

── 寒さに対応するためだったのですね。

県外では老人ホームなどによく使われていたと思います。
効率的に冷暖房を使えるのが、光熱費がかさみやすい施設との相性が良いですね。
加えて、型枠解体の工程が無いので効率化にも繋がっています。

── 作業面でのメリットも高い。

この工法を知った時に、県内でもすぐに広まるかと思いましたが…技術者からすると在来の方法と違う面が多いのが引っかかっているのでしょう。
特にクロスや床材を直張りできるというのは、私も当初は違和感があったくらい。
それでも費用や作業効率で得られるメリットは大きいと思います。

── この工法を他社が導入するのは難しい?

技術的な難しさはありませんが、現時点では型枠材のメーカーが内地企業から取り寄せる形になるので、オーダー面での難しさはあるかと。

これからの時代に求められる材料だと思うので、もし他社からの発注があれば、取り次ぎや加工といったサポートも検討していきたいですね。

── それはなぜ?

作業にかかる職人の体力的な負担も軽減できる。
軽量な素材で積み込みも容易なので、弊社の職人は「在来には戻れない」と話していますね。
在来工法のように高い技術を必要としないので、昨今の職人不足にも好影響をもたらしてくれると思います。

メリットが多い工法を広く伝える

── さて、今後の展望は。

外内断熱遮音工法を県内で導入している企業はまだ少なく、型枠材単体でのコストは高いですが、トータルで見ればコストダウンできるのは分かっているので、この工法を広めるべきとも考えています。

弊社で設計の下請けをして「他社にノウハウを伝えていく」というのも現在試行中です。
ゆくゆくは、型枠材の工場を県内に造れたらと考えています。
先ほども話した通り、職人不足の解消にも繋がるので推進していきたい。
そういった次のステップに進むためにも、まずは弊社のネームバリューを高めていきたいですね。

── 今日は興味深いお話を聞かせていただきました。お忙しい中ありがとうございました!

株式会社GEMINI

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所在地

沖縄県北中城村安谷屋2191-4 TAURUSビル2F

営業時間

09:00~18:00

定休日

土・日・祝日

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